どうも、望月です。
今回は、映画「暗黒女子」についてお話します。
映画「暗黒女子」はまとめると
- 秋吉理香子の同名小説を映画化した作品です。
- 女子高が舞台です。
- 基本的に、話は緩やかに進んでいく感じです。なので、人によっては退屈するかもしれません。
- 陰湿な印象です。
- ミステリーやサスペンスが好きな大人向けだと思います。
といった感じです。
映画「暗黒女子」の基本情報
- 監督:耶雲哉治
- 原作:秋吉理香子「暗黒女子」
- 音楽:山下宏明
- 出演:清水富美加(千眼美子)(淀川小百合) 飯豊まりえ(白石いつみ)
- 清野菜名(高岡志夜) 平祐奈(二谷美礼)
- 小島梨里杏(小南あかね) 玉城ティナ(ディアナ・デチェヴァ)
映画「暗黒女子」のあらすじ
文学サークルの定例会
名門のキリスト系お嬢様学校・聖母マリア女子高等学校
この日は、この高校の文学サークルで1学期最後の定例会が行われています。
会長の澄川小百合の進行で会は進みます。
長い休み前の定例会では、闇鍋が恒例であり
皆が好きなものを持ち寄って会長だけが何を入れているのか知っているというのがルールです。
闇鍋を食べながら、それぞれが書いた小説を朗読していくのですが、
今回のテーマは元会長で学園の理事長の娘である白石いつみの死について
白石いつみは屋上から落ち、下の花壇で死んでいました。
すずらんの花を手にして。
学園内では誰かがいつみを殺したのではないかと噂になっています。
小百合は部員たちがいつみの死について小説を書くことでなぜ死ななければならなかったのかが見えてくると部員たちに言います。
まず、最初に1年生の二谷美礼が指名されました。
タイトルは太陽のような人
太陽のような人
美礼は平凡な家庭の子で勉強を頑張り、聖母マリア女子高等学校に入学したのですが、お嬢様ばかりでなじめませんでした。
そのとき、いつみに声をかけられ文学サークルにこないかと誘われます。
初めは慣れませんでしたが、次第に部員たちと打ち解けることができました。
美礼はバイトをしていました。
しかし、バイトは学校で禁止されています。
いつみに相談したところ、白石家の家庭教師にすれば誰も反対しないと提案します。
そして、家庭教師になったのですが、いつみに異変が起きます。
父親と揉めていたり、肺炎でしばらく休んでいたり…。
ある放課後、いつみは美礼に
「誰かを殺してやりたいって思ったことはある?」と聞きます。
美礼は何も答えないでいると、いつみが
「私はある」と言います。
そして、ハンカチを差し出します。
そのハンカチは学園指定のものですずらんの香りが配合されている香水の匂いがします。
この香水を持っているのは
同じ文学サークルの2年生・高田志夜
ただ一人でした。
父親と志夜は不適切な関係ではないかと悩んでいました。
学園祭でいつみと美礼が志夜といつみの父親が仲良さそうに喋っているところを見ました。
美礼はいつみよりもショックを受けてしまいます。
そして、いつみが友情の証として自分がつけていたすずらんの髪飾りを美礼に渡します。
その後、いつみは花壇に落ち、すずらんの花を持って死んでいました。
あの手にしていたすずらんの花は犯人を私に知らせるためのものだといい小説は終わります。
次に、指名されたのは2年生の小南あかね
タイトルはマカロナージュ
マカロナージュ
華やかすぎるものは品がないと教育されたあかねはいつみのことが嫌いでした。
あかねは料亭の娘で、洋食屋をやることが夢でした。
ある日、学校であかねの読書感想文が評価され、
校内新聞に貼られることになります。
そして、いつみが声をかけました。
文学サロンに案内され、あかねは驚きました。
キッチンがあったからです。
あかねは洋食屋の夢を語り、じっくりと聞いてくれたいつみに好感を抱きます。
その夜、あかねは家に帰ると
家の料亭が燃えていました。
幸い、けが人はいませんでした。誰かが故意に火をつけたようです。
落ち込むあかねにいつみは私に何かできることはないかしらと言います。
そして、文学サークルのキッチンで料理を使うことを許可しました。
一方で、あかねはいつみから相談されました。
最近、家の中のものが盗まれていると。
美礼が家庭教師としていつみの家に入るようになってから起こったことなので、
犯人は美礼だと推測しますが、いつみは
あの子は経済的に貧しいから心も貧しくなってしまった可哀想な子なのと言い、
美礼を責めないでとあかねに言います。
それから、白石家では亡くなった祖母の形見であるすずらんの髪飾りがなくなってしまいました。
落ち込むいつみに、あかねは警察に通報したほうがいいのではと提案しますが、
いつみは今度、学校の屋上で美礼と話をするつもりだと言います。
その後、いつみは屋上から転落死してしまいました。
手に持っていたすずらんは髪飾りを盗んだ人が犯人と示しているのかもしれないと小説を締めます。
続いて、指名されたのは留学生のディアナ・デチェヴァ
小説のタイトルは女神の祈り
女神の祈り
ディアナには双子の姉のエマがおり、旅行会社でツアーガイドをしています。
いつみがブルガリアに留学したときにエマの紹介でディアナはいつみと出会いました。
そのとき引率で来ていた北条先生が研修で忙しかったので、
ディアナがいつみのガイドを担っていました。
ディアナの母親は日本人で、日本語も堪能だったディアナはいつみと仲良くなりました。
やがて、女神のように美しいいつみと別れるのが寂しくなってきます。
すると、いつみの計らいで聖母マリア女子高校への留学の話がきます。
ディアナは姉のエマに留学を譲りますが、エマがツアーガイド中にケガしてしまい、留学を断念しました。
そのかわりに、ディアナが聖母マリア女子高校に留学することになったのです。
ディアナはいつみに誘われ文学サークルに入部します。
文学サロンのキッチンであかねの腕にすすらんの形のやけどの跡をディアナは見てしまいます。
あかねはそれを隠そうとしますが、
いつみから「隠すことないじゃない。すずらんの形みたいで可愛い。」と言います。
それから間もなく、いつみは体調が悪くぐったりとするようになりました。
ディアナがいつみにバラのオイルを使い、マッサージを施します。
学園祭の日に、いつみは学園祭での売り上げを環境のせいで勉強できない人たちに寄付したいとディアナに話します。
そして、自分が卒業したら文学サロンは閉鎖し、孤児院に寄付すると言います。
それを聞いていたあかねは閉鎖してしまうことに苛立ち「私たちのサロンを奪わないで」と言い、その場から逃げてしまいます。
その後、文学サロンであかねの作ったスイーツを食べながら、お茶会をする部員たち
そこで、美礼がいつみから譲ったスイーツを食べ、気分が悪くなって吐いてしまったと言います。
普段食べなれないスイーツを食べたからかもしれないと言う美礼ですが、
ディアナはあかねがいつみに毒を盛ろうとしたのではないかと思いました。
ディアナはあかねからいつみを守ろうと決め、そして、決してあかねを許さないと書き記し、小説を締めます。
続いて、最後に指名されたのは2年生の高岡志夜
小説のタイトルは紅い花
紅い花
志夜は中等部3年のときに、作家としてデビューしています。
デビューした小説を読んだいつみは志夜を文学サークルに誘います。
いつみは作家として活動する志夜を応援し、いつみの父親が志夜とマスコミの間を取り持つことになりました。
次第に、志夜はいつみの父親と親しくなっていき、まだ日本では発売されていない香水を貰いました。
志夜は今度の作品でホラーを書きたいと思っていました。
その頃、ディアナが留学生として学園に来ます。
ある日、学園の花壇にスズランを植えているディアナを見て、志夜は話しかけます。
ディアナは、「私がこの学園にいい影響を与えたら、私の住むところから留学生を招待してくれるといつみが言っていた。」と言います。
しかし、いつみから「来年から留学生を招待しない」と聞いていた志夜は疑問を感じます。
その夜、志夜はなかなか寝付けず、朝早くからサロンで小説を執筆しようと学園に行きました。
そこでディアナが人形に釘を打ち付けて呪文を唱えているのを目撃しました。
それからいつみの体調は悪化し、いつみの首に咬まれたような跡があるのを見てしまいます。
それから数週間経ち、いつみは死にました。
花壇に倒れたいつみの手にはスズラン、首には紅い花を咲かせていたと小説を締めます。
最後に、小百合がいつみの書いた小説を朗読するといい、4人は困惑します。
ここからラストなので、ネタバレが気になる方はご注意ください
いつみの書いた小説
いつみは北条先生とできていました。
ブルガリアの留学では教師と生徒の関係をなくし、甘い時間を過ごし、学園に戻ればまた元に戻るという生活でした。
そして、いつみは妊娠していました。いつみはお腹の子を「すずらん」という名前にしようとしていました。
小百合はそれを知っており、それをサポートする役目を担っていました。
このままでも楽しく思えたいつみでしたが、ふと、この生活に何か物足りなさを感じてしまいます。
いつみは、この女子高生という限りある時間が終わってしまうことに不安を感じました。
そして、思いついたのがこの生活に彩りを与えてくれる脇役が必要だということ。
いつみは脇役となる存在、すなわち、いつみが文学サークルに誘った4人の弱みを握り、自分の配下にします。
- 美礼の弱みはお金欲しさに老人相手に援助交際していること
- あかねの弱みは跡を継ぐことにストレスを感じ、実家に火をつけたこと
- ディアナの弱みは自分が学園に行くために姉のエマをケガさせたこと
- 志夜の弱みはデビュー作の「君影草」がフランスの作家の盗作であること
いつみは自分の思うままに動いてくれる脇役たちを手にし、より幸せを感じることができました。
しかし、その幸せは長く続かず、脇役の裏切りによってそれは終わります。
4人はそれぞれの役割を担い、北条先生といつみができていることをいつみの父親にチクりました。
それを知った父親はいつみのお腹の子を中絶させました。そして、北条先生は学園を去ることになりました。
いつみはひどく落ち込みましたが、小百合がいつみに北条先生の電話番号が書かれた紙を渡します。
そして、駆け落ちを提案します。
いつみは感謝するとともに、裏切った4人の復讐をすると決めました。
それから、いつみは4人を学校の屋上に呼び出し、「私を殺したいと思っているんでしょ?」と聞きます。
志夜が「女子高生の華やかな時間は今しかないの。だから私たちを解放してほしい」と言います。
「私が卒業するまでのたったあと1年なのに?」といつみは返答します。
そして、いつみは4人の前でスズランの花を持って屋上から飛び降ります。
4人はいつみが自殺するとは思いもよらず、もし、すずらんの花がお腹の中にいた子だと詮索されたら、4人の弱みも明るみになってしまうと恐れました。
そして、4人はそれぞれすずらんの花に別の意味を持たせ、それぞれの犯人を仕立て上げることにしました。
全員が疑われれば、特定されないからです。
しかし、いつみは死んでいませんでした。
ラスト
いつみは北条先生と暮らすと書置きを残しました。
父親はこのことが学園や世間にバレて大事になることを恐れました。
なので、いつみが死んでしまったことに仕立て、小百合がいつみの席に花を置くことでいつみが死んだことに信憑性を持たせたのです。
すべて、いつみの計画通りでした。
そして、小百合はいつみが今日の定例会に参加していて、闇鍋の中にすずらんが入っていることを4人に伝えます。
すずらんには毒が入っており、ここで4人が自決し、この文学サロンが大きな棺となるところまでがいつみの計画であると伝えます。
4人はパニックになります。
しかし、小百合が
「闇鍋に毒が入っているわけないでしょ。」と言います。
4人は安堵します。
小百合は話し続けます。
小百合はこれから北条先生と幸せに暮らそうとしているいつみを見て、思いました。
いつみは平凡になってしまった。そして、今は自分の方が美しいと……。
平凡になったいつみにガッカリしてしまった小百合はいつみにお茶を飲ませます。
それはすずらんの毒が入ったお茶でした。
いつみは毒で死にました。小百合がいつみを殺しました。
そして、闇鍋の中にはいつみの死体が入っていることを4人に伝え、新たな秘密を用意します。
そして、小百合が主役になりました。
小百合は、新たな脇役を探して、自分の人生の物語を作っていくのです。
映画「暗黒女子」を観た感想
登場人物、皆可愛すぎ
まぁ、映画やドラマなどで登場人物がみんな、イケメンとか美人だらけとかよくありますよね。
「暗黒女子」でも同じく、文学サークルの部員はみんな可愛いですね。
そんな学校ねぇだろって正直思います。
この映画の肝であるどんでん返しについて
この映画では、ラスト24分が衝撃の事実というのを宣伝で言っていました。
どんでん返しがあると期待するような予告にはなっていました。
しかし、個人的にある程度分かっていました。
こういったどんでん返しものだと、まず色々推理しますよね。
僕も色々予測しましたが、いつみは本当は死んでいなかったということは予測できました。
屋上から落ちたときに頭打ってなかったですし……。
頭と心臓に強く衝撃が無ければ、かろうじて大丈夫ですからね。
まぁ、小百合がいつみの死体を鍋に入れるのは予想できなかったですが……。
映画「暗黒女子」の主題歌はCharisma.comの「#hashdark」
映画「暗黒女子」の主題歌はCharisma.comの「#hashdark」です。
毒づいた歌詞とロックな感じが印象的です。
Charisma.comはOLとラッパーの二足の草鞋を履く女性ユニットです。(現在はソロプロジェクトになっているそうです)
日常の人間関係のめんどくさいこととかなどを歌詞にしていて普段から毒づいていますが、
この映画には人の悪い本性が描かれてるので適任ですね。
映画「暗黒女子」のまとめ
いかがでしたか
「暗黒女子」は全体的に緩やかに進んでいき、その中で垣間見える少女たちの狂気がみどころかなと思います。
そして、ラスト24分のどんでん返しがあります。
ただ、人によっては「何だ、そんなことかよ」と思ってしまうかもしれないので(僕も少し思ってました)
あまり期待しすぎない方がいいかもしれません。
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