【湊かなえの小説が好きな方へ】映画「少女」のあらすじと感想

邦画

どうも、望月です。

今回は、映画「少女」についてお話します。

映画「少女」はまとめると

  • イヤミスの女王・湊かなえの同名小説が原作
  • 主演は本田翼山本美月
  • 全体的に暗い内容なので、そういうのが好きではない方は不向き
  • 劇中で言われている「因果応報」を体現した映画なので、そういう意味では人生について考えさせられます。
  • 激しいアクションものが好きな人にとっては退屈でよく分からないと思われるかもしれないです。
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映画「少女」の基本情報

  • 監督:三島有紀子
  • 原作:湊かなえ「少女」
  • 脚本:三島有紀子 松井香奈
  • 音楽:平本正宏
  • 出演:本田翼(由紀) 山本美月(敦子)
  •    佐藤玲(紫織) 新田真剣佑(牧瀬) 稲垣吾郎(高雄)

映画「少女」のあらすじ

「ヨルの綱渡り」

最初に、女子高生たちが遺書を読み上げることでこの映画は始まります。

ある女子高生・由紀は授業中、小説を書いていました。

由紀は友達があまりいません。しかし、敦子という親友がいます。

敦子とは幼馴染で小さい頃からよく遊んでいました。

2人は学校の人間を快く思っていません。敦子はクラスで虐められていました。

ある日、由紀は小説を書き終え、鞄に入れていました。

しかし、小説が書かれた原稿を無くしてしまいました。

それから数日が経ち、国語教師の小倉がクラスで自分が小説の新人賞をとったことを言います。

そして、小説の最初をコピーしたものを皆に配るのですが、

それは由紀の書いた作品でした。小倉は盗作していたのです。

由紀の書いた「ヨルの綱渡り」という小説は敦子を励ますために書いたものです。

敦子は配られた小説を見て憤慨している由紀を見て、由紀の作品だと気づきます。

しかし、由紀の真意には気づいておらず

自分がネタにされてしまったと感じてしまいます。

敦子は中学の頃、剣道の大会で決勝戦まで勝ち進めたものの大事なところで負けてしまい、

その後、学校裏サイトで自分の悪口を目撃してしまい、それがトラウマ

今でも人の目が気になっています。そして、片足をケガしていました。

今でも、片足を引きずっているのですが、それはフリをしているだけで本当はもう治っています。

今でも治っていない方が都合がいいと思ったからです。

盗作の復讐

由紀は、盗作された復讐のために、夜の職員室に忍び込み、小倉のノートパソコンを持ち出します。

小倉は、セーラと名乗る他校の女子高生と付き合っていることが分かりました。

それと別で、由紀は全職員宛てに国語の成績表を添付したメールを送り付けます。

間違って送ったという体で。

やがて、小倉は退職し、さらに自殺しました。

転校生の紫織

それから、由紀と敦子は気まずい関係になり、新たに転校生として紫織がやってきます。

2人は紫織とつるむようになるのですが、

紫織が「親友が自殺するところを見たことがあるの」と言います。

2人は、それが自慢のように聞こえ、自分らも人が亡くなる瞬間を見てみたいと思うようになります。

その一方で、紫織は常習的に痴漢の冤罪をでっち上げ、示談金を貰っていると言います。

かつて、自殺した親友も同じことをしていたと言い、彼女はそれを機に真剣に交際まで発展

そして、それを敦子にやるように言います。

敦子は困惑と緊張しつつ、電車で男の人に痴漢したと声をかけ

駅で降り、示談金を持ちかけました。

それを由紀が目撃してしまいました。

それ以降、由紀と敦子はさらに気まずくなります。

ボランティアである男性と出会う

そんな中、夏休みに、由紀は小児科の病棟に

敦子は老人ホームにボランティアに行きます。

人が死ぬ瞬間を見るために……。

敦子は老人ホームで高雄という男性職員に出会います。

最初は敦子に素っ気なかったのですが、

あるとき、老人ホームの入所者が食べ物を喉に詰まりそうになったところを

敦子が咄嗟に行動したのを見て、信頼するようになり、自然と敦子と話すようになります。

高雄は以前、痴漢の冤罪に遭ったことがあり、示談金を払うことを拒否したため裁判にもつれこみ

その間に離婚し、仕事も辞めることになり、全てを失いました。

そして、今はこうして老人ホームの職員として働いているのですが、

高雄は盗作された由紀の作品「ヨルの綱渡り」を知っており、

それは君のことではないかと敦子に言います。

高雄の家に由紀の作品が書かれた文芸誌が置いてあり、それを読んで、敦子は今まで気づかなかった由紀の励ましに気づき泣きました。

ボランティアである子どもたちと出会う

一方で、由紀は小児科の病棟でボランティアに行きました。

紙芝居の読み聞かせで差しさわりのない昔話をする職員に嫌気がさし、

勝手にアレンジを入れますが、職員に止められ、辞めたくなります。

しかし、ある2人の少年たちが由紀のことを気に入ります。

2人はタッチ―と昴といい

2人は由紀が昔話で「因果応報」だの「地獄に落ちろ」と言っていたのに興味を持ち

地獄について知りたいと言い、由紀がまた今度のボランティアで地獄についての本を持ってくることを約束します。

そして、由紀は家に帰り、地獄について書かれた本を探していたら、ある木の棒が出てきました。

それは、以前一緒に暮らしていた、由紀の祖母が由紀を叩いた時の棒でした。

昔、厳しい教師でいた祖母が認知症により、由紀を無礼な生徒だと思い、

何かの拍子に棒で由紀の手の甲を傷つけました。

由紀はそれを見つけ、燃やしました。

「因果応報、地獄に落ちろ」と言いながら……。

昴の相談

由紀はまたボランティアに行ったときに、昴から相談をされます。

彼は手術成功率7%の難病を患っており、手術をする前に、離れ離れになった父親に会いたいと言います。

由紀は、昴の父親を探すことにしました。

しかし、父親探しはそう簡単に上手く行かず、見つけられません。

そんなときに、ある男性が「父親を知っているかもしれない」と由紀に近づき、声をかけます。

探してみるかわりに、夜にある場所で落ち合うという約束をしました。

由紀は悩みましたが、知り合いの青年・牧瀬に相談することにしました。

彼とは最近知り合いました。

相談する前に彼が、最近、面白いものを目撃したと由紀に言います。

それは、中年の男性が電車に飛び込んで自殺したという話でした。

その男性は紙原稿を細かくしたものを手にして、飛び込んだときにそれを離したのです。

牧瀬は、ひらひら舞ったその一部を手にし、持っていました。

由紀にそれを見せ、由紀は注目しました。

それは盗作された由紀の小説でした。

由紀はその自殺よりも面白いものを見せてあげるといい、その原稿を貰おうとします。

これより下はラストを含むネタバレになります。ご注意ください

2人は緊張しながら再会する

夜のモデルルームで由紀は中年の男性と出会うことになりました。

そこで、彼は関係を迫られたのですが、その一部始終を青年がビデオカメラで撮っていました。

撮影したのを恐れ、男性は由紀に昴の父親の情報を言います。

それから、敦子は由紀の気持ちを知って、会いたくなり、由紀の家に行きました。

すると、由紀の母親が出てきて、由紀は病院に行ったと言います。

その病院を教えてもらい、敦子が由紀のいる小児科の病院に行くと、知っている男の姿がありました。

高雄でした。

由紀は昴の本当の父親である高雄を昴に会わせようとしていました。

感動の再会になると思った由紀でしたが、突然、高雄が腹を抑えて倒れました。

昴はナイフを持っていました。高雄を刺したのです。

「あのとき、母さんを苦しめた」と。そう、痴漢の裁判のときに……。

由紀は刺された高雄をみて、過去におばあちゃんに傷づけられて、血を流したことを思い出し、半狂乱になります。

それを見て敦子はナースコールを鳴らし、由紀を外に連れ出します。

ラスト

今まで由紀の前でケガしたふりしていた足は関係なくダッシュで連れ出します。

それは幼い頃の二人のようでした。

そして、辿り着いた丘の上で2人はお互いの存在を確認し合うのでした。

一方で、高雄は大事には至らず、昴と仲直りしました。

それから、数日後、淫行をしたとして一人の男が逮捕されました。

それは由紀に関係を迫った相手であり、紫織の父親でした。

このことが学校中に広まり、紫織は虐められるようになりました。

そして、紫織はクラスメイトに遺書としてメールを送り付け自殺しました。

映画「少女」の感想

世間は狭いを体現した映画

この映画では転校生が盗作した教師と援交をしていて自殺した子の友達だったり

介護職員の人が転校生がしていた痴漢冤罪の被害者であったりして

どこかで繋がっている描写が多いです。

個人的には繋がりすぎじゃねって思ってました。

一つや二つの偶然はあっても、いくつもあるんですから(笑)

まぁ、フィクションだから描けるんですよね。

因果応報を体現した映画

劇中で由紀のおばあちゃんが言っていたこの言葉

因果応報

自分がした行いはやがて自分の元にかえってくるという意味ですね。

映画では、悪い行いをしたらそれが自分に返ってくると由紀は言っていました。

この中で因果応報をもろに受けたのは転校生の詩織だと思います

詩織は痴漢の冤罪を起こし示談金を稼いでいました。

それを由紀と敦子に教え

巡り巡って、由紀と関わったのが詩織の父親でした。

結局、詩織はいじめを受け自殺することになるのですが、こればっかりは誰かのせいにはできませんね。

由紀のせいだと言っても、自分が教えたことですから。

最後に詩織はクラス全員に遺書をメールで送りつけました。

いじめたクラスメイトは何食わぬ言動でしたが、

この後、いじめ自殺が公になって、クラスメイトにも罰が下されるのではないかと僕は思います。

なんだかんだ言って、由紀が最強だと思う

なんだかんだ言うと、由紀が何かしら恨みながらやったことがその人に不幸をもたらしているんですよね。

これも、因果応報を体現していると言ってもいいでしょう。

小倉のパソコンからなりすまし誤送信やリークすることで、結果的に自殺しましたし、

おばあちゃんが殴るのに使っていた棒を燃やしたら、食べ物を詰まらせて死にそうになっていましたし、(実際は助かったのですが)

おじさんと会って、そのビデオを撮らせたら、紫織の父親だってバレて、紫織がいじめ自殺受けましたし、

そんなことをしなければ因果応報に遭わずに済んだのにねって思います。

映画「少女」の主題歌はGLIM SPANKYの「闇に目を凝らせば」

映画「少女」の主題歌は2人組ロックバンド・GLIM SPANKYの「闇に目を凝らせば」です。

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