昼時
空が高く、青い空が広がる昼時
僕はやっときた休みの日に心を躍らせた。
「あー、今日は何して過ごそうかなぁー。」
今の時間は午前11時
休みの日でも仕事の日と同じ時間に自然に起きてしまった。
僕は、だらだらとスマホを見て、重い腰を上げて行動を起こすことにした。
「外でも出ようかなー。」
季節は冬だが、太陽が出ている昼間は暖かいこともある。
何となく僕は外に出てみた。
自転車で適当にこいでみて、
僕は近くのデニーズに辿り着いた
「おいもかぁー。」
僕は、店の外に掲げている旗をみて、一人呟いた。
今は、おいものフェアをやっているんだな。
店内に入り、セルフで検温と手の消毒をしたあと店員に席を案内され、着席した。
メニューを観ると期間限定で焼きいもを使ったデザートが載っていた。
「おいもの和サンデーか」
税込988円のサンデーはこれだけで満足するくらいのボリュームだ
甘党はこれを与えれば、しばらく文句は言わないと思う。
僕は、店員さんを呼んで、おいもの和サンデーを注文した。
サンデーが来るまでに、スマホを少しいじっていると、店員さんがサンデーを持ってきた。
栗のクリームが前にかかっており、その後ろにバニラクリーム
ホイップクリームが中央で存在感を出し、その後ろにおいものツインタワーがそびえ立っていた。
「いただきまーす。」
一人で小声で呟くと、スマホのバイブが鳴った。
LINEがきた
ふとスマホを見ると、友達からのLINEだった。
「久しぶり! 今度ご飯行こう」
大学時代の友達からだった。
彼とは今でもたまにLINEして、ご飯を食べに行く仲だ。
僕は返信する。
「いいね。いつ行く?」
と返した。
まだ既読はつかない。
一旦、スマホを閉じて、サンデーを食べることにした。
焼き芋タワー
ただ、食べる前に忘れてはいけないのが、ホイップの上に乗っているミントは
取り除きたいということ。
その作業は数秒で終わった。
ミントをどかして、まずは焼き芋から食べようか……。
僕は、ツインタワーから手をつけた。
「んっ!」
僕はいもを口に入れたときに驚いた。
焼き芋なのに凍っていたのだ。
これはどういうことなのか?
なんて思ったが、もはやこれは面白いと思い、そのまま楽しんだ。
そして、ホイップを一口。
柔らかい……。
そして、バニラアイスと栗のクリーム、ミルクジェラートとホイップを合わせて食べようとしたら
スマホのバイブが鳴った。友達からのLINEだった。
さっきの返事かな?
と思って開いた。
「いつがいい?」
と返ってきた。
「……。」
んー、こっちが聞いてるんだけどなぁ。質問を質問で返すのかよ。
どういう意図があるのか? 捻くれ者からしたら、日付を決めないというのは相手に時間を拘束させることから逃げようとしている行為にしか見えない。
拘束させないということは自分を悪者にしたくないという意図があるからなのだ。
あえて、相手に振ることで自分は悪者ではないという証明をする。
責任を逃れようとしているという意図が見られる。
世迷言垂れたが、要はムカつくということだ。
しかし、せっかくご飯に誘ってくれているので、いつが空いているか考えておこう。
うーん、いつが空いているかなぁ……。
今度の土曜日は仕事があるしなぁ……。
でも、夜なら空いてるか。いや、確か次の日も朝早かったような。
僕はバニラアイス、ミルクジェラートをホイップに絡めて食べながら考えていた。
いつしか、サンデーは下のあずきに到達した。
あずきの沼
アイスの沼が抜けてきて、今度はあずきの世界へ突入する。
アイスの洋の甘さからあずきの和の甘さに変わり、違う甘さが僕を包み込んでくれる。
そして、友達とのご飯はいつにするか決めかねていた。
日曜日は朝早かったから夜空いてるな。でも、友達が前に日曜日は都合悪いって言ってたっけ。
サンデーはあずき沼を抜けて白蜜ゼリーに突入しつつある。
あずきと合わせるとここだけぜんざいのような感じでサンデーの中に日本を感じるのだ。
やがて、白蜜の世界を飛び出しマスカルポーネの沼が見えてくる。
その頃、僕は友達にLINEしてみた。
「日曜日の夜、空いてるけどどう?」
そして、僕はマスカルポーネを堪能してゆく。
マスカルポーネが底をついたとき、友達からLINEが来た。
「ごめん、日曜日空いてないわ。」
「……。」
サンデーは最下層の黒ごまに辿り着いてしまった。
ラストの黒ごま
黒ごまのソースが最下層に待っている。
ここで、かろうじて残った、バニラアイスやマスカルポーネなどを黒ごまソースに絡めて食べるのが至福である。
ここまでくると和と洋が全て合わさって甘さが僕を包み込む。
甘さのアベンジャーズがここに集結している。
一方で、友達のLINEの方では、
サンデーの終わりを堪能しつつ、スケジュールを確認するも
仕事が飛び飛びだったこともあって、飛び飛びのスケジュールを教えてあげた。
日曜日の夜、水曜日、木曜日の夜なら空いていると伝えてみた。
それをサンデーを食べながら待っていた。
やがて、黒ごまを抜け、サンデーの底が見えた。
甘いサンデーの冒険が終わってしまった。
「美味しかった。」
また食べたいなと思いつつ、席を立ちお会計に向かおうとしていると、
友達からLINEが来た。
「ごめん、どの日も無理やわ。来月にしよ♪」
「……。」
スケジュールが合うのは甘くなかったようだ。
この作品はフィクションです。 この作品に登場するデザートは実際にありますが、それに対する感想などは 望月の個人的な感想であり、世間を代表するものではありません。
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